Use Your Perfect Memory


 学問を志すともなると、たくさんのものを読み、そして忘れずにいることが大切です。受験勉強などの比ではありません。

 そういうわけで、私も勉強法、記憶術などには多少の関心があります。お気に入りは、Tony Buzan氏の書かれたものです。脳のはなしなど、素人には説の当否が分かりかねますが、実践的で役に立つことは疑えません。記憶術について書かれた書物をご紹介したいと思います。

Tony Buzan “Use your perfect memory : dramatic new techniques for improving your memory, based on the latest discoveries about the human brain“, New York, Penguin, 1991, 3rd ed.

 この書物は、いろいろな記憶術を駆使して楽しい知的生活を送ろうという趣旨のもので、そのなかに、「ローマ人の部屋」(The Roman Room System)という記憶術が載っています。

 ローマ時代の人の記憶術だそうで、まず架空の部屋を空想し、自分の覚えたいことと、この架空の部屋とを(なかば無理矢理)関連づけて、記憶する、というものです。

 あるローマ人は、たとえば、次のような架空の玄関と部屋とを作ることだろう、ドアの両横に巨大な柱があり、ドアノブにはライオンの頭の彫刻、そして、玄関を入るとすぐ左に、すばらしいギリシアの彫像があるような。その彫像の横には大きなソファがあり、そこにはそのローマ人が狩った動物の毛皮が掛けてあり、ソファの隣には花の咲いた植物、そしてソファの前には、大きな大理石のテーブルがあり、そこにはグラスとワインさし、果物の盆、などが載っていることだろう。 (Tony Buzan “Use your perfect memory” p.65)

 このローマ人が何かを覚えようとする時(買い物、剣の修理、子どもへのプレゼント等々)、この壮麗な空想上の部屋に、それらの物事をいちいち関連づけて、頭にその光景をありありと思い浮かべて記憶する、というものです。

 このような記憶術は、「時代遅れのこじつけ」と軽蔑されてきましたが、ブザン氏は、これこそが脳の仕組みからして最も覚えやすい方法であり、現代人も積極的にこの方法を活用すべきだ、と説いています。

 なお、ブザン氏は同じような内容の書物をたくさん書いているので、ちゃんと比較などはしていないのですが、”Use your memory“というそっくりなタイトルの本が翻訳されています(この本に「ローマ人の部屋」が紹介されているのかどうかは、確認していません)。

トニー・ブザン著 ; 松野武訳『記憶の法則』(東京図書, 1987)(新装版、東京図書, 1991)

 中国においても、古代の人々が素晴らしい記憶力をもっていたことは明らかで、私も常々その道を会得したいものと思っています。五行説だとか、易の八卦だとかいったものも、古代人の発想法・思考法であったのみならず、実は記憶術でもあったのかも知れません。そのうちに、このことも書きたいと思います。

広告

「Use Your Perfect Memory」への3件のフィードバック

  1.  ローマ人の記憶法でたとえば老子を暗記できるかを考えて見ました。
     部屋に本棚があり、そこに81冊本があり、背表紙に第一章…とかいてあり、開くと、通行本の文句などが書いてある、というのを想像すると、立体的に捉えられ、効果的な気がしました。
     十三経なども全然暗記も読書もできていないのですが、記憶法でやれそうな気がしてきました。

  2.  そうなのです、いろいろ、工夫が出来そうです。
     『老子』のそれぞれの章は、韻を踏んでいるものが多いわけですね。韻文の暗誦はそれ自体としてすべきものですが、配列については、「ローマ人の部屋」などの記憶術を組み合わせて覚えることが出来そうです。ともに頑張りましょう!

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中