活字は活きている


活字の凹凸 「活字が大好きなのだけど、最近はコンピュータで作った本ばかりになってしまって…」と嘆いていたところ、李白を愛する若き学徒、I君が、「そんなことはまったく意識したことがなかった。どうやって活字本を見分けるのですか?」と問います。

 「まぶたを閉じて、本文の紙をなでてごらんなさい。活字本には凹凸があるから、指先の感触で分かるでしょ?」と答えます、「この凹凸が、立体的に見えて脳裏に焼き付き、内容もありありと覚えていられるんですよ」。

 I君は、「本当だ!凸凹だ!確かに立体だ!」と感心することしきり。「字が活きている!」

 I君には疑問がわいてきたようです、「なぜ、活字は活字というんでしょう?」

 私、「君がいま、いみじくも言ったではないか、字が活きているからでしょう!」と。

 指導の行き届いているI君は、その場で『辞源』を引き、「活字版」の項を確認します。他愛のない私の嘘はたちどころに露見しました。

 それにしても、「字が活きている」とはうまく言ったものです。いま本屋に並んでいる本よりも、古本屋に並んでいる本をこそ私が愛好するのは、ひとつには、活き活きとした活字の魅力にとらえられてのことです。

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「活字は活きている」への5件のフィードバック

  1.  中国の出版社からは最近、かつて出版された多くの本が、装幀を新たにして「重版」されています。中には「改訂本」と称しているものもあります。しかし、私から見れば、所詮、活字本ではないのです。2000年ころ以降の話でしょうか?
     古本屋さんで、古い本を手にとって買う喜びは、格別ですね。

  2. なるほど、そういうことがあるのですね。
    ちなみに不肖で漢辞海だとでてくるのですが、辞源だと活字版しか出てこないのですが…
    皆さまにはこれからもよろしくお願いいたします。

  3. 偶々見つけたのですが、コンピュータ組版では、組版の質の低下を招いている、と言っている活版印刷会社がございました(http://www.kazuipress.com/about.html)。

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