ブックガイドとしての『読書雑志』第二章


吉川忠夫『読書雑志-中国の史書と宗教をめぐる十二章』(岩波書店、2010)を導きとして、中国学の書物の林に踏み入ります。

その第二章は「『史記』の十表と八書」、ちくま学芸文庫に収められた『史記』2の解説として書かれたものです。

小竹文夫、小竹武夫訳『史記 書・表』筑摩書房(ちくま学芸文庫『史記』2)、1995。

『史記』には、本紀・世家・列伝のほかに、「八書」「十表」と呼ばれる部分があります。吉川氏の解説も、これを対象としたものです。

吉川氏はまず「表」の説明から始めます。『史記』の「十表」、すなわち、「三代世表第一」「十二諸侯年表第二」「六國年表第三」「秦楚之際月表第四」「漢興以來諸侯王年表第五」「高祖功臣侯者年表第六」「惠景間侯者年表第七」「建元以來侯者年表第八」「建元已來王子侯者年表第九」「漢興以來將相名臣年表第十」については、中華書局本をお持ちならば、ぱらぱらとめくってみるだけでもよいでしょう。一見、右から左に「横書き」されたかのような体裁もあり、興味深く感じられます(ただし、翻訳について言うと、小竹氏の『史記』訳が優れたものだとは、私にはどうも思えません)。

次に是非とも読みたいのは、『史通』表暦篇と書志篇です。原文でお読みになるなら、次のものは如何でしょう。

張振珮箋注『史通箋注』貴州人民出版社、1985。

邦訳はお二方の手になるものがあります。

増井経夫訳『史通-唐代の歴史観』平凡社、1966。
増井経夫訳『史通』研文出版、1981。

西脇常記訳註『史通内篇』東海大学出版会、1989。
西脇常記編訳註『史通外篇』東海大学出版会、2002。

どちらも、大体の内容をつかむにはよいかと思います。日本語訳で読まれるなら、冒頭の六家篇から、書志篇までを通読されるとよいかも知れません。

続いては、内藤湖南の『支那史学史』を読みます。

内藤湖南『支那史学史』1・2、平凡社(東洋文庫、557・559)、1992。

全集版も、もちろんよいのですが、ここは吉川忠夫氏が解説を書き、索引も付いている東洋文庫版を選択しましょう。その第1冊は、中国史の起源から宋元時代までを論じています。不朽の名作ですので、この機会に如何でしょうか(第2冊の清朝史学の説明は専門的に過ぎるように思われますので、ひとまずここまで)。吉川氏の解説も卓抜です。

『史記』の「八書」、すなわち「禮書第一」「樂書第二」「律書第三」「暦書第四」「天官書第五」「封禪書第六」「河渠書第七」「平準書第八」の中では、吉川氏が「白眉」と推す「封禅書」を読んでみましょう。やや長いので読むのに苦労しますが、できれば原文で、そうでなければ上記の訳書でもよいでしょう。

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