『中国古代礼儀文明』


 彭林氏が、中国の礼を一般向けに説いた書物、『中国古代礼儀文明』(中華書局,2004年)。中華書局は月刊誌として『文史知識』を出していますが、そこに2年にわたり連載された文章をまとめたものです。

 その構成は、以下の通り。『儀礼』を柱とする礼学を分かりやすくかみ砕いて、しかも相当、網羅的に説明しています。

  • 自序
  • 第1章 礼是什么
  • 第2章 礼缘何而作
  • 第3章 礼的分类: 吉礼/凶礼/军礼/宾礼/嘉礼
  • 第4章 礼的要素: 礼法/礼义/礼器/辞令/礼容/等差
  • 第5章 礼与乐: 德音之谓乐/盛德之帝必有盛乐/音乐通乎政/乐内礼外/移风易俗莫善于乐
  • 第6章 以人法天的理想国纲领 《周礼》: 聚讼千年的学术公案/理想化的国家典礼/以人法天的思想内核/学术与治术兼包
  • 第7章 贯串生死的人生礼仪 《仪礼》: 《仪礼》的名称、传本和今古文的问题/《仪礼》的作者与撰作年代/《仪礼》的传授与研习/《仪礼》的价值
  • 第8章 阐发礼义的妙语集萃 《礼记》: 《礼记》的成书/《礼记》的分类与作者/《礼记》的人本主义思想/哲理与格言/《礼记》的流传与影响
  • 第9章 冠者礼之始也 冠礼: 成人之者,将责成人礼焉/筮日、筮宾,所以敬冠事也/三加弥尊,加有成也/已冠而字之,成人之道也/以成人之礼见尊者、长者/古代社会中的冠礼/女子的笄礼
  • 第10章 合二姓之好 婚礼: 婚姻之义/议婚和定亲/亲迎/成婚/拜见舅姑/古代婚礼的几个特色
  • 第11章 礼尚往来 士相见礼: 不以挚,不敢见尊者/来而不往,非礼也/士、大夫、国君交往的杂仪/燕见国君的杂仪
  • 第12章 吾观于乡,而知王道之易易 乡饮酒礼: 宾兴贤能,在乡学举行的乡饮酒礼/在乡序齿,养老的乡饮酒礼/吾观于乡,而知王道之易易
  • 第13章 立德正己之礼 射礼: 射礼梗概/射以观盛德/发而不中,反求诸己/君子无所争,必也射乎/射礼与择士/孔子射于矍相之圃
  • 第14章 明君臣上下相尊之义 燕礼:燕礼的陈设/席位与尊卑/宾与主人/宾主的一献之礼/四举旅酬/燕礼所要表达的君臣大义
  • 第15章 诸侯相接以敬让 聘礼: 聘礼梗概/圣王贵勇敢强有力者/圭璋与德/还玉与重礼轻财/介绍而传命,敬之至也/最早的外交礼仪程式
  • 第16章 称情而立文 丧服(上): 以三为五,以五为九:亲属关系的确立/上杀、下杀、旁杀:丧服等差的确立/五等丧服的十一小类/服术有六:确定丧服的原则
  • 第17章 称情而立文 丧服(下): 丧服的精粗与轻重/丧期的加隆与减杀/宗亲、外亲与妻亲/恩服与义服/服丧期间必须坚守的原则/丧服制度在海外的孑遗
  • 第18章 侍奉逝者的魂魄 士丧礼: 寿终正寝/复/奠/哭位/报丧和吊唁/沐浴、饭含、袭/为铭和设重/小敛/大敛/国君亲临大敛/成诵、代哭、朝夕哭/筮择墓地和卜葬日
  • 第19章 埋藏亲人的遗体 既夕礼: 殡后居丧/启殡/朝祖/装饰柩车/陈明器/祖奠/赠送助葬之物/大遣奠/发引/窆和执綍/反哭
  • 第20章 安魂之祭 士虞礼:立尸/阴厌/飨尸/三虞、卒哭/祔庙与作主/小祥、大祥和禫/居丧要则
  • 第21章 祭祀万世师表 释奠礼: 孔子的学行与生平/释奠说略/四配/十二哲/先贤先儒从祀/祭祀孔子的文化意义/释奠礼在今日韩国
  • 第22章 诗礼传家 家礼: 不学礼,无以立/《礼记》所见的先秦家庭礼仪/《颜氏家训》/司马光的《书仪》与《家范》/朱子《家礼》/家礼在朝鲜
  • 第23章 不见面的礼仪 书信: 书信格式/敬称/谦称/提称语/思慕语/书信中的平和阙/师生之间的称谓/祝愿语及署名敬辞/信封用语

 彭林氏は本書の自序に次のように書かれています。

繁雑で難解な古礼を、読者が受け入れやすいような文章として書くことは、非常に困難な仕事であった。それゆえ、執筆するごとに、反復斟酌して、紛々たる資料の中から最も重要な内容を選択して紹介した。

 『周礼』『儀礼』『礼記』という「三礼」。これが「礼」の根幹ですが、それを一般読者に分かりやすく、しかも、資料を丁寧に紹介することは、並々ならぬ苦労があったと想像されます。本書のように網羅的に礼を説明した概説書は、他に見あたりません。

 彭林氏は、「現在の中国は、礼儀を喪失してしまった」という認識のもと、熱い心で読者に礼の諸相を語りかけます。本書のいたるところに見えるのは、「今日の中国人が如何に伝統的な礼と断絶しているか」という反省であり、決して「中国は今でも礼儀の大国である」という自大ではありません。

 中国の一般読者にとっても、礼はなじみの薄い内容で、本書を読み通すのは容易でないとのことです。ましてや、外国人である我々にとって、やさしくないこと、言うまでもありません。しかし、「礼」という地盤の上で、伝統中国と現代中国、この二つを見据える彭林氏の言論は、私の眼にはとても新鮮なものと映ります。

*彭林『中国古代礼儀文明』中華書局(文史知識文庫), 2004年。 Webcat所蔵館は、11館(本日付け)。

広告

「『中国古代礼儀文明』」への1件のフィードバック

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中