スウェーデン民族誌博物館にて


the museum of ethnography 本日、ストックホルムの民族誌博物館(英 the Museum of Ethnography, 瑞 Etnografiska Museet)を訪問。この博物館は規模こそ大きくありませんが、東洋学を志すものにとっては、大きな意味を持っています。というのは、この博物館は、スウェーデンの生んだ大探検家、スウェン・ヘディン(Sven Hedin, 1865-1952)の蒐集品や蔵書を収めているからです。

 ヘディンの発見は、中国史、中央アジア史にきわめて重要な資料をもたらし、新たな光を当てました。特に1901年における楼蘭の発掘はよく知られ、多くの概説書が書かれ、ドキュメンタリー番組も作られました。こ の博物館を訪れてヘディンに触れ、そしてヨーロッパの「探検熱」に触れ、有意義でした。

 楼蘭文書は通常展示としてもいくつか陳列されていますが、それ以外にも、「残紙」「木簡」を特別に見せていただくことができ、幸運でした。3世紀、4世紀の素晴らしい書法を目にすることができました。

 1989年に当時、西武百貨店の美術館で展示されたことがあります。その時、東京文化財研究所が仲介して、装丁をしたそうです。表裏両面に書かれた紙も数点ありますが、いったん表裏をはがした上で中に和紙を挟んで貼り合わせ、両面とも判読できる姿に再構成されています。博物館のホーカンさんは、「内容も素晴らしいが、装丁も同じように素晴らしい」と胸をはっていらっしゃいました。よくできた桐箱に入れられ、大切に保管されています。

 楼蘭の紙は敦煌の紙以上に古いものです。北欧の地にて、古い紙、古い墨を眼にするのは、不思議な体験です。「19世紀的な文化侵略」などと浅薄な批判をする気にはなれません。ここでは、中央アジアの遺物がたいへん重んじられていることを知りました。

 なお、この博物館に収める楼蘭文書は、冨谷至編著『流沙出土の文字資料-楼蘭・尼雅文書を中心に』(京都大学学術出版会、2001年)に収録されており、見ることができますので、図書館などでご覧ください。    

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