岩波文庫『老子』の新版・旧版


 「功成り名遂ぐ」のエントリにて述べたように、『老子』の諸本には多様なものが存在し、なかなか複雑なものです。少なくとも、漢籍の中では複雑な方だと思います。

 最近、蜂屋邦夫氏が訳された岩波文庫の『老子』は、「王弼本」(「正統道蔵」所収のもの)を底本にしつつも、「河上公本」「馬王堆帛書」「郭店楚簡」を含む、他の系統の本文にも目配りがきいており、『老子』を読んでみようかという方は、一読なさるとよいと思います。

 詳しい注と、詳しい解説のついた、アカデミックな著作です。最近の岩波文庫は、単に閲読の便をはかるという以上に、アカデミックな方向を目指しているのかも知れません。本書といい、『高僧伝』といい、注と解説が充実しています。

 ただ、「王弼本」を底本とする原文と、訓読とが一致していないので、はじめ、戸惑うことがあるかもしれませんが、そこは「慣れ」です。

 一方、武内義雄が戦前に訳した「旧」岩波文庫の『老子』は、「河上公本」に基づくものですから、日本文化に関心のある方などは、これも手もとに置かれるとよいのではないでしょうか。以前、復刊もされましたし、古書店などで入手できるはずです。

 「新」岩波文庫本『老子』については、そのうち、詳しく紹介してみたいと思います。

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中