四部分類の独訳


シュタックマン氏『中国の図書館 天一閣の歴史 十六世紀から現代まで』は、目録学をテーマにした数少ない欧文の研究書です。

Ulrich Stackmann,
Die Geschichte der chinesischen Bibliothek Tian Yi Ge vom 16. Jahrhundert bis in die Gegenwart,
Franz Steiner, 1990

同書には、『四庫全書』の分類に対してドイツ語訳を当てた一覧表が、付録として載せられていました(pp.220-221)。参考資料として、ここに転載させていただきます。誤字などをご指摘いただければさいわいです。

欧米漢学における、近年の傾向として、訳しこんだ語を用いず、漢語音をローマ字表記することが多いようです。たとえば、Confucianism といわず、Ru という、など。書物の分類名についても、漢語音をローマ字表記する例があるようですが、訳語を見れば、「どのように理解し、解釈したか」が分かるもの。興味深く感ぜられるので録する次第です。

たとえば「目録類」は、先にご紹介した銭存訓氏の英訳では、Bibliographies となっていますが、シュタックマン氏訳では、Bibliographien, Kataloge und Inschriftenverzeichnisse とします。簡潔な銭氏の訳もよいのですが、『四庫全書』の史部目録類には、その小序にもいうとおり、金石目録が入っているので、シュタックマン氏訳の方がより説明的で、『四庫全書』の実情に即しています。

経部 KLASSIKER

  • 易類 Buch der Wandlungen
  • 書類 Buch der Urkunden
  • 詩類 Buch der Lieder
  • 礼類 Buch der Riten
  • 春秋類 Frühling und Herbst-Annalen
  • 孝経類 Buch des Gehorsams gegenüber den Eltern
  • 五経総義類 Generelle Bedeutung der 5 Klassiker
  • 四書類 Vier Bücher
  • 楽類 Klassische Vorstellungen über Musik
  • 小学類 Wörterbücher, Studien zur Phonetik

史部 GESCHICHTE

  • 正史類 Offizielle dynastische Geschichte
  • 編年類 Annalen
  • 記事本末類 Aufzeichnungen über Anfang und Ende historischer Ereignisse
  • 別史類 Nicht offizielle Geschichte einer oder mehrerer Dynastien
  • 雑史類 Nicht offizielle Geschichtsdarstellungen unterschiedlicher Form, teilweise fiktiv
  • 詔令奏議類 Kaiserliche Edikte und Throneingaben
  • 伝記類 Biographien und Ereignisgeschichte
  • 史鈔類 Nacherzählungen von Geschichtswerken
  • 載記類 Geschichte der Dynastien, die nicht zur offiziellen Dynastiefolge gerechnet werden
  • 時令類 Jahreszeitliche Gebote
  • 地理類 Geographie und Regionalgeschichte
  • 職官類 Amter in der Kaiserlichen Verwaltung
  • 政書類 Recht und Institutionen
  • 目録類 Bibliographien, Kataloge und Inschriftenverzeichnisse
  • 史評類 Kritik der Geschichtsschreibung

子部 WISSEN

  • 儒家類 Konfuzianer
  • 兵家類 Militärschriftsteller
  • 法家類 Legalisten
  • 農家類 Agrarschriftsteller
  • 医家類 Medizinschriftsteller
  • 天文算法類 Astronomie und Rechenkunst
  • 術数類 Rechenkunst
  • 芸術類 Bildende Künste
  • 譜録類 Naturkunde und Wissen über handwerkliche Produkte
  • 雑家類 Schriftsteller, die die Ideen verschiedener Philosophieschulen zusanmenfassen, Aufzeichnungen mit dem Pinsel (bi ji) und cong shu
  • 類書類 Enzyklopädie
  • 小説家類 Schriftsteller von Legenden, Anekdoten und Erzählungen
  • 釈家類 Buddhisten
  • 道家類 Taoisten

集部 POESIE

  • 楚辞類 Elegien von Chu
  • 別集類 Gesammelte Werke
  • 総集類 Anthologien
  • 詩文評類 Kritik der Dichtung
  • 詞曲類 Lieddichtung der Gattungen Ci und Qu und deren Metrik
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「四部分類の独訳」への2件のフィードバック

  1. 英独ともに、『易』は「変化の書」と訳しているんですね。「占い」とは訳さない点に意外な感じを受けました。
    ただ、「易」を変化と釈しているのは『易』の古注系統にはあるんでしょうか?「交易変易」と解しているのは朱熹なので、その影響を受けているのかもしれませんね。

  2. Whitestonegさま、コメントありがとうございます。以前、湯浅泰雄氏の本の中で、リヒャルト・ヴィルヘルムの『易経』独訳の話を読んだことがあります。その訳書の名は、I Ging. Das Buch der Wandlungen だそうです。明日にでも、原書を確認してみます。英訳、Book of Changesは、独語からの重訳ではないでしょうか。

    「変化」という解釈は、漢代の『易緯乾鑿度』あたりからありますね。ヴィルヘルムら、当時の西洋人がどのような解釈を受容したのかは、そのうち、当たってみます。では。

    学退上

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