『旧唐書』経籍志の標点一則


中華書局から出版されている校本『旧唐書』の標点に誤りを見つけたので、メモしておきます。

『旧唐書』経籍志の叙に次のようにあります。

煚等撰集,依班固藝文志體例,諸書隨部皆有小序,發明其指。近史官撰隋書經籍志,其例亦然。竊以紀錄簡編異題,卷部相沿,序述無出前修。(『旧唐書』,中華書局,1975年,p.1964)

これでは、意味が通りませんし、平仄も合いません。以下のように変更するのが適切です。訳文も付しておきます。

煚等撰集,依班固藝文志體例,諸書隨部皆有小序,發明其指。近史官撰隋書經籍志,其例亦然。竊以紀錄簡編,異題卷部,相沿序述,無出前修。
煚〔毋煚を指す〕たちの撰した目録は、班固『漢書』芸文志の体例にのっとり、諸書の部ごとにいずれも小序があり、その部の趣旨を明らかにしようとしている。近頃、史官が『隋書』経籍志を撰したが、それの体例も同様であった。私が思うに、書籍を著録する際、分類名に異なる題をつけてみたところで、前の目録を踏襲して叙述するばかりで、先行の著作以上のものとはなっていない。

余嘉錫『目録学発微』(中華書局,1963年)を翻訳していてこのことに気づいたのですが、余嘉錫が引用するこの旧唐志の一節(五「目録書之体制」三,p.58)、何と中華書局『旧唐書』と同じように句読しています。両者、同様に誤っているのがやや不可解です。

しかし、同じページに余嘉錫みずから「相沿序述,無出前修」と再びその二句を引いているのですから、余氏が標点本のように読んだはずはありません。最近、『目録学発微』はさまざまな形で版を重ねていますが、いずれの標点本も誤っています。誤りが50年も踏襲されているのは、嘆かわしいことです。

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