『礼記』に見る、正しい入浴法


『礼記』には、古代の中国人の習俗が記録されています。たとえば彼らは、どのように入浴していたのでしょうか。『礼記』玉藻篇に興味深い記事があります。

日五盥。沐稷而靧粱。櫛用樿櫛,髮晞用象櫛。進禨進羞,工乃升歌。浴用二巾,上絺下綌。出杅,履蒯席,連用湯,履蒲席。衣布晞身,乃屨,進飲。

『礼記正義』によると、これは卿大夫の身分を有する者の入浴法であるとのことです。鄭玄の注と孔穎達の正義に従いつつ、読んでみます。

  • 「日五盥」。毎日五回、手を洗う。
  • 「沐稷而靧粱」。洗髪にはコウリャンのとぎ汁を用い、洗顔にはオオアワのとぎ汁を用いる。なめらかさを与えるために、とぎ汁を使うのである。なお君主の場合は、洗髪・洗顔ともにオオアワのとぎ汁を用いる。
  • 「櫛用樿櫛,髮晞用象櫛」。洗髪の際には、ツゲの櫛を使う。髪を乾した後には、櫛を用いて髪をとかすが、その時は象牙の櫛を使う。洗髪の際は汚れを効果的に落とすためにツゲを使うが、髪をとかすには、きしまないように象牙を使う。
  • 「進禨進羞,工乃升歌」。洗髪が終わると、英気を養うために酒と肴が供され、楽人が堂に上がり、音楽が演奏される。髪を洗うと「気」が足りなくなるので、それを補うためという。
  • 「浴用二巾,上絺下綌」。入浴には二枚のタオルを用いる。一方は細い葛の糸で織ったもの、もう一方は粗い葛の糸で織ったもの。これで体を擦って垢を落とす。
  • 「出杅,履蒯席,連用湯,履蒲席」。入浴が終わり、湯船から出ると、アブラガヤで作ったマットに足をこすりつけて足の垢を落とし、足を湯につけてその垢を取り去り、さらにガマの葉で織ったマットで足を乾かす。
  • 「衣布晞身,乃屨,進飲」。布のバスローブを着て体を乾かし、くつを履く。そして酒が進められる。

現在の我々の入浴に近いところもあり、身近に感じられもします。しかしその一方で、「気が失われるから」という理由で、入浴のたびに酒を飲んだり音楽を聴いたりするところなど、まったく様子が異なります。

もちろんこれは、家に専属の楽人を抱えるような高貴な人々の習慣ではありますが、まるで古代人の生活の一面を垣間見るようではありませんか。

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