『文史通義注』


文史通義注
文史通義注

葉長青撰、張京華点校『文史通義注』 (華東師範大学出版社、歴代文史要籍注釋選刊、2012年)を購入しました。

章学誠(1738-1801)が著した『文史通義』は、経書などの中国古典をひとつの「るつぼ」に入れて煮溶かして、それを精製して創り上げた、斬新な作品であると言えます。

「六経皆史」説(「すべての経書は、もともと古代の史官の実用的な書物であった」とする説)のみが突出して有名ですが、そればかりでなく、中国古典の一大総括として読むことができる著作です。

その『文史通義』の注釈書としては、すでに葉瑛撰『文史通義校注』(中華書局、1985年)があります。それとは別に、本書、葉長青『文史通義注』が存在することは知っていたのですが、葉長青(1899-1946?)の成果はすでに葉瑛(1896-1950)の注釈に取り込まれているものと思い込んでおり、『文史通義注』を見ずに済ませていました。

ところが、本書に冠せられた張京華氏の「整理弁言」を読み、認識を一新しました。

この59ページにも及ぶ「整理弁言」に述べられたことは、重要かつ多岐にわたっており、簡単にまとめることはできませんが、特に驚いたのは、葉長青の説を葉瑛が多数、剽窃している、という指摘です。たとえば、44ページから始まる第9節には、葉長青の誤りを葉瑛がそのまま引き写している例が挙げられています。

その上、葉長青『文史通義注』は章学誠に対する独自の批判を行っており、いかにも志の高い人の書いた文章と見えます。少し目を通した印象としても、大いに読み応えのある注釈と感じられました。

となると、葉瑛『文史通義校注』のみに依拠して『文史通義』を読解するわけにはゆかず、是非とも、この葉長青『文史通義注』を読まねばならぬ道理です。

この本は、この11月に福建省のアモイを訪れた際、厦門大学校門近くの名刹、南普陀寺の向かいにある書店で見つけて購入しました。前言によると、葉長青は福建閩県の人、厦門大学の教育系を卒業後、同大学の国文系の助教、金陵大学の国文系教授、無錫国学専修学校の教授を歴任したとのこと。アモイのバスにゆられながらその前言を読み、深い縁を感じました。

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