鳳凰出版社版『説文解字注』


数年ほど前、段玉裁『説文解字注』の標点本が出版されました。『説文解字注』、上下冊、許惟賢整理、鳳凰出版社、2007年。これまでは『説文解字注』といえば、嘉慶二十年(1815)に段氏自身が刻した経韵楼本やその影印本ばかり利用してきましたが、何と言っても標点本は手軽です。

この鳳凰出版社版の『説文解字注』、かなりよい出来で、通読のためにふさわしい本と言えましょう。 この数年、我々のグループ「点注会」は、『説文解字注』を会読しており、先週、三篇下までを読み終えました。鳳凰版の標点本を時々、参照しているのですが、いくつか鳳凰版の誤りが目につきましたので、三篇下についてのみ、備忘のために記しておきます。亀甲括弧の中が段玉裁注です(適宜、省略してあります)。校誤は漢語で記します。

  • 㱾,㱾,大剛卯也,㠯逐精鬽。从殳,亥聲。(鳳凰版第215頁,經韵樓本第二十七頁)

按:「㱾改」,經均樓本亦同,然宜作「㱾攺」。『説文解字注』第三篇下,攴部云:「攺,㱾攺,大剛卯㠯逐鬼鬽也。从攴,巳聲。讀若巳」,音余止切(鳳凰版第225頁,經韵樓本第四十頁)。

  • 尋,繹理也。〔……《方言》曰:「尋,長也。海岱大野之閒曰尋,自關而西,秦晉梁益之閒凡物長謂之尋。」《周官》之法,度廣爲尋。古文《禮》假尋爲燅。《有司徹》:「乃燅尸俎。」注:「燅,温也。」古文燅皆作尋,《記》或作尋。《春秋傳》:「若可尋也,亦可寒也。」……〕(鳳凰版第216頁,經均樓本第三十頁)

按:「《周官》之法,度廣爲尋」一文,《方言》(第一)文,引號有誤,當改。

又按:「古文燅皆作尋,《記》或作尋。《春秋傳》:「若可尋也,亦可寒也。」」,此亦《儀禮・有司徹》鄭注文,當改引號。

  • 寇,暴也。〔暴當是部之曓,……。〕(鳳凰版第223頁,經韵樓本第三十七頁)

按:「本」當作「夲」。本書十篇下,夲部:「夲,進𧼈也。从大十」,音土刀切(鳳凰版第869頁,經均樓本第十五頁)。

  • 斆,覺悟也。从,尚矇也。〔下曰:「覆也。」尚童矇,故敎而覺之。此說從之意。……〕聲。(鳳凰版第226頁,經韵樓本第四十一頁)

按:「冂」字四見,均當作「冖」。本書七篇下,冖部:「冖,覆也。从一下垂也」,音莫狄切(鳳凰版第617頁,經韵樓本第三十六頁)。

又按:「臼」當作「𦥑」。本書三篇上,𦥑部:「𦥑,叉手也」,音居玉切(鳳凰版第189頁,經韵樓本第三十九頁)。

これらの誤りは、すべてメンバーの指摘によるものであり、特に白須裕之先生がお気づきになったものが多いこと、ここに明記します。 標点本は確かに便利ですが、全面的には依拠できるわけではありません。経韵楼本を主とすべきことは、今後も変わらないようです。

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