権威ある注釈


今春から担当しているある授業のために、中国古典に対して作られた権威ある注釈のうち、唐以前に著されたものを列挙してみました。現存している注釈のみ挙げてあります。配列はおおむね『四庫提要』の分類順に従いました。

常識的な内容であり、またあくまでも便宜的なものですが、資料等にご活用いただければ幸いです。漢学専攻の学生諸君には、一通り覚えておいてもらいたい事項です。ご要望があれば、代表的な版本を書き加えるかも知れません。

經部

  • 《周易》(魏)王弼注/(唐)孔穎達正義
  • 《尚書》(傳前漢)孔安國傳/(唐)孔穎達正義
  • 《詩》(前漢)毛亨傳/(後漢)鄭玄箋/(唐)孔穎達正義
  • 《周禮》(後漢)鄭玄注/(唐)賈公彦疏
  • 《儀禮》(後漢)鄭玄注/(唐)賈公彦疏
  • 《禮記》(後漢)鄭玄注/(唐)孔穎達正義
  • 《大戴禮》(北周)盧辯注〔闕〕
  • 《春秋左傳》(西晉)杜預注/(唐)孔穎達正義
  • 《春秋公羊傳》(後漢)何休注/(北朝?)徐彦疏
  • 《春秋穀梁傳》(東晉)范寧集解/(唐)楊子勛疏
  • 《孝經》(唐)玄宗注
  • 《論語》(魏)何晏集解
  • 《孟子》(後漢)趙岐注
  • 《爾雅》(東晉)郭璞注
  • 《方言》(東晉)郭璞注

史部

  • 《史記》(劉宋)裴駰集解/(唐)司馬貞索隱/(唐)張守節正義
  • 《漢書》(唐)顔師古注
  • 《後漢書》(唐)李賢注/(梁)劉昭注
  • 《三國志》(劉宋)裴松之注
  • 《國語》(呉)韋昭注
  • 《戰國策》(後漢)高誘注
  • 《水經》(北魏)酈道元注(即《水經注》)

子部

  • 《孔子家語》(魏)王肅注
  • 《荀子》(唐)楊倞注
  • 《孫子》(魏)武帝注
  • 《管子》(唐)尹知章注
  • 《呂氏春秋》(後漢)高誘注
  • 《淮南子》(後漢)許慎注/(後漢)高誘注
  • 《世説新語》(梁)劉孝標注
  • 《山海經》(東晉)郭璞注
  • 《老子》(傳前漢)河上公注/(魏)王弼注
  • 《列子》(東晉)張湛注
  • 《莊子》(西晉)郭象注/(唐)成玄英疏

集部

  • 《楚辭》(後漢)王逸注
  • 《文選》(唐)李善注/(唐)五臣〔呂延濟、劉良、張銑、呂向、李周翰〕注
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「権威ある注釈」への8件のフィードバック

  1. 古勝 隆一先生
                  2014年4月25日
    ◎「現存している注釈」。
    「権威ある注釈」に《列子》(東晉)張湛注の無いこと、また、『老子』に「河上公注」の漏れていることが気に成るのですが・・・。
    ※《老子》(前漢)河上公注/(魏)王弼注
    ※《列子》(東晉)張湛注
    ※「漢」の旧字体「漢」は簡単に出ます。
    藤田吉秋

  2. 藤田様

    ご無沙汰いたしております。ご指摘くださいまして、まことにありがとうございます。慌ただしく作ったもので、むしろ、不足をご指摘いただけるのではないかと期待して公開しました。早速、訂正いたします。

    引き続き、ご教示をお願いいたします。

    学退復

  3. 長らくご無沙汰いたしております。代表的版本とは、四部叢刊所収本などになるのでしょうか。影印本がある場合、それも教えて頂けますでしょうか。唐以前、とされたのは、古い注釈書を重視されたからだと思いますが、その注釈書により文献を一通り読めるということも含まるのでしょうか。

    版本につきましては、お時間ございましたら是非ご教授お願いいたします。

  4. 昭夫様

    ご要望をお寄せくださいまして、まことにありがとうございます。お久しぶりです。

    論文に古典籍を引用する場合、おおまかに言って、由緒正しい写本、宋元版、現代の標点本の三者を確認しておけば、大きな誤りは出ないものと思います。写本はともかく、宋元版と標点本は要ると思います。しかも、ある程度、確認しやすいものである必要はありましょう。

    その意味で、四部叢刊や百衲本正史に収録されている宋元版の影印本は、使いやすいものが多いと思います。古逸叢書、続古逸叢書に収める諸書なども、参照しやすいという意味で利があるかもしれません。

    ただ、「どの本がよい」などというのは主観に左右される面が大きく、専門家の間では異なる意見も多いので、少し書きにくいところもあります。それでも、詳しくない人にとっては、ある程度の目安があった方が便利であるのかもしれません。そのあたり、私には判断のつかないところです。

    少し準備の時間をください。また、考えてみます。

    今回は古い注釈を列記したのですが、それだけで「文献を一通り読める」というわけには、到底ゆきません。もちろん、清朝や近現代の研究成果を取り込まなければ、一通りの意味をとることすらも難しいと思います。

    ただし、古くて権威のある注釈というのは、大変な重みを与えられている特別な書物であると考えています。あるいは、『四書章句集注』や『資治通鑑』の胡三省注なども、そういう権威ある注釈に当たるのかもしれません。そのあたりの「軽重」の違いについては、一度、じっくり考えてみる値打ちがあると思います。

    学退復

  5. はじめてコメントいたします。いつもたいへん勉強になる記事ありがとうございます。ぜひ代表的な板本についてもご教示頂ければ幸いです。
    ところで、記事中に見える『漢書』の「班固注」と『三國志』の「陳壽注」については、何か深いお考えがあってのことなのでしょうか。

    1. 鹿島様

      コメントくださいまして、まことにありがとうございます。

      これはたいへんお粗末な失敗をしてしまいました。ご指摘くださいまして、本当に助かりました。早速、訂正いたしました。心より感謝申し上げます。

      今回、このようなかたちでコメントを頂戴できましたのも、何かのご縁と存じます。今後ともご教示ください。

      学退復

  6. 恐縮です。つまらないことを申しまして失礼いたしました。
    以前から先生のご著書は拝読いたしておりますが、こうしてお考えの一端をブログに公開されていて本当にうれしく思います。
    とりわけ、以前より愛用する『辞源』を推奨されていて意を強くいたしました。
    ただ先生が発信されてからか、古書店で『辞源』が手に入り難くなったようで困っております(笑)。
    今後ともよろしくご教示のほどお願いいたします。

    1. 鹿島様

      ご丁寧にありがとうございます。拙文をお読みくださいまして、心より感謝申し上げます。

      もともと、細々とした漢学の知識を学生たちに口頭で伝えることに難儀しておりまして、ブログに書いておこうと思ったのが始まりですので、とても専門家の方々にご覧戴くようなものではありませんでした。その後は自分の読書の記録として書き続けてきました。お読みいただけることが一番の励みになっています。ただ、このところ自分なりに忙しく、気ままに文章を書く時間がとれないことが残念です。

      これからも内容の充実した良書を紹介してゆきたいものです。今後とも、よろしくお願いいたします。

      学退上

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