『孝経』朗誦


昨年の秋から、学生と一緒に『孝経』の朗誦をしてきました。中国語で暗誦するのです。日本人にとってたやすいこととは言えませんが、『孝経』を覚えておくと自信も持てますし、何より暗誦の習慣を身につけておけば、さまざまな中国古典も断然親しみやすいものとなるという考えです。

また奇しくも、友人であるまっつんさんが『孝経』の暗誦を目指して努力なさっていることを、彼のブログ「積読日記」で知りました。愉快な一致です。

近年は、インターネットの上にさまざまな教材が満ちあふれています。中国古典の朗誦も少なくありません。『孝経』(今文『孝経』)についても、以下のようなものを見つけましたので、ご紹介します。

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発音にやや南方のなまりがあるようですが、手本にするには十分だと思います。利用する上でのポイントをいくつかメモしておきます。

・中国の「普通话」と台湾の「國語」とでは漢字の発音が完全には一致せず、特に、声調が異なるものがあります。たとえば、以下のような例があります。

「開宗明義章第一」の「身體髮膚」の「髮」字、もともと中古音では入声ですが、中国では第4声、台湾では第3声で読みます。この朗誦では第3声で読んでいます。

「諸侯章第三」の「高而不危」の「危」字、中国では第1声、台湾では第2声です。この朗誦では第2声で読んでいます。

・「諸侯章第三」の「富貴不離其身」の「離」字、この朗誦では第2声で読んでいますが、第4声で読んでもかまいません(中古の去声です)。

・「卿大夫章第四」の「身無擇行」の「行」字、この朗誦では第2声で読んでいますが、第4声で読むべき字です(「行い」の意味では去声、つまり第4声、で読みます。この朗誦でも第2声と第4声を意識的に区別しています)。「三才章第七」の「民之行也」、「孝治章第八」の「有覺德行」、「聖治章第九」の「行思可樂」、「廣揚名章第十四」の「行成於內」なども同様です。

・「三才章第七」の「示之以好惡」の「好惡」、hàowùと読んでいますが、これでは好き嫌いという意味になってしまいます。善悪の意味なので、hǎoèと読むのが正しいと思います。

・「廣要道章第十二」の「則弟悅」の「弟」字、tìと読んでいるように聞こえますが、dìが適当です。

・「諫爭章第十五」の「爭」字、第1声で読んでいますが、第4声で読むべきところです。本章の「爭」字はすべて同様です。

・「喪親章第十八」の「為之宗廟」の「為」字、第4声で読んでいますが、第2声で読むべきでしょう。

以上、細々と書きましたが、関心をお持ちの方はまずこの朗誦を聞いてみて下さい(ただし、広告がでるので煩わしいかもしれません、ご承知を)。なかなか学のある方の朗誦であるように感じました。

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