『支那書籍解題』


長澤規矩也『支那書籍解題—書目書誌之部』(文求堂書店、1940年)を図書館で借りてみました。中国歴代の書目を、劉向『別録』から董康『書舶庸譚』にいたるまで、逐一、解説した解題です。項目ごとに参考文献も明示されています。

これまで本書の参照を怠っていたのですが、その情報量に圧倒されてしまいました。日本語で書かれた同類の書物は少ないので、現在でも参考価値があると思います。

ただ、細かいことに気がつきました。「劉向別錄 漢劉向撰 清洪頤煊輯 孫彤校」の解題に、洪頤煊を「乾隆」六年の抜貢生とするのは誤り。正しくは「嘉慶」辛酉(嘉慶六年、1801)です。

長澤氏はこの項目を書いた際、余嘉錫「目錄要籍提要」(『國立北平圖書館館刊』4-2、民國19年)を参照しているのですが、この部分、余氏も「乾隆辛酉」(乾隆六年、1741)と誤っているのです。長澤氏はどうやらこれを踏襲してしまったようです。

以前、平凡社の東洋文庫から『目録学発微』の翻訳を出版した際、この「目錄要籍提要」も附録として訳しておきました。その時にこの点を修正した上で余氏の誤りを指摘しておいたことを思い出しました。

【補記】

今日は旧暦で言うと春節で、昨日は乙未の年の除夕(大晦日)でした。そのちょうど60年前、乙未の除夕の日、西暦で言うと1956年2月11日、余氏が亡くなりました。このことは以前、「余嘉錫の没年」に書いたとおりなのですが、昨日という日をもって、まさに干支がひとめぐりしたのかと思うと、感慨もひとしおでした。

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