『魏晉石刻資料選注』


わたくしが勤務する京都大学人文科学研究所には、かなり多くの中国石刻の拓本が蔵されており、かつて、それらを読む研究班がありました。その成果の一端である『魏晉石刻資料選注』が出版されたのは、もう十数年前のこととなってしまいました。

三國時代の出土文字資料班[編].
魏晉石刻資料選注.
京都大學人文科學研究所, 2005, 292p., (京都大學人文科學研究所研究報告).

この研究班の班長は、人文研東方部の井波陵一氏と冨谷至氏の2名で、わたくしも班員として参加しており、この刊行物の出版に当たっては、井波班長のもと、整理をしたことを懐かしく思い出します。昨年度末に冨谷先生が定年退職され、今年度は井波先生が定年退職なさいます。20年にもわたり、お二人から蒙った学恩には感謝してもしきれません。この本を手にすると、つい感傷的な気分になってしまいます。

魏晋時代の碑や墓誌などを読み、注釈と訓読を付したもので、こういった文体を読んでみたいと思っていらっしゃる方のお役には立つかもしれないと思い、ここに紹介いたします。現在、京都大学のレポジトリ、KURENAIで無料公開されているので、ぜひご利用ください。

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“『魏晉石刻資料選注』” への 4 件のフィードバック

  1. 古勝隆一先生

    ご無沙汰しております。
    今月22日に開催の、井波先生ご退職記念講演会に(面接などのやむをえない急用が発生しない限り)お邪魔させていただく予定をしております。
    貴学でのこれまでの共同研究に関するお話も伺ってみたく思われます。  匿名希望

  2. 古勝 隆一先生
                           2018年3月11日
    ◎「こういった文体を読んでみたいと思っていらっしゃる方」・「ぜひご利用ください」。
    この「注釈と訓読」を頼りに、この書を読むのは容易ではありません。例えば、【一〇「禪國山碑」・注(67)「孔子河伯子胥 王□宣言 天平地成」】について。「平成」が目に止まりました。『左伝』僖公二十四年:「夏書曰。地平天成。稱也」が引かれていますが、『孔子家語』五帝徳篇二十三:「叡明智通、爲天下帝、命二十二臣率堯舊職、躬己而已。天平地成、巡狩四海、五載一始。三十年在位、嗣帝五十載」では駄目ですか。「子胥」に注がありませんが、伍子胥でしょうか。「孔子・河伯・子胥・王□」の四人に関連があるのでしょうか。藤田吉秋

  3. 藤田様

    コメント下さいまして、まことにありがとうございます。おっしゃる通りかもしれません。ゆえあって、無料で入手できる訓・注つきの文を若い人に紹介したいという考えもあって書いたのですが、これで分かるとは言えませんね。

    『孔子家語』、もちろん結構と思います。ここの部分、闕字もあり読みがたいので、それ以上、私には読めませんが、葉程義『漢魏石刻文学考釈』は、「孔子河伯,子胥王□,宣言天平,地成天子,出東門鄂者四」と句読しています。子胥は間違いなく伍子胥で、これに注がないのは疎漏です。ご指摘に感謝いたします。

    古勝隆一覆

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