「本草余聞」


『杏雨』は、武田科学振興財団、杏雨書屋が刊行している雑誌で、その第21号(2018年5月)が近ごろ出ました。

この中に、吉川忠夫先生の「本草余聞」(pp.139-193)という随筆が掲載されており、先生の文章を文字通り渇望していた者として、欣喜雀躍どころではありません。

しかも、この「本草余聞」には、本草にまつわる十六篇ものエッセーが収められており、ページ数も多く、十分な読み応えがあろうことが、手にした瞬間に了解されたのでした。そのエッセーの題目を列記しておきましょう。

・陶弘景の『本草集注』と『真誥』
・謝霊運と杜甫
・遠志
・菊花
・人参
・薏苡
・王不留行
・当帰
・人乳
・鮧魚
・蟹
・蚦蛇胆
・木瓜
・苦菜
・酒
・聖人も闕有り

吉川先生が、同僚であった麥谷邦夫氏とともに研究班を組織して陶弘景『真誥』の訳注を成し遂げたことは、斯界の歴史にのこる大事業でしたが、その陶弘景のもう一つの著書、『本草集注』を糸口にして、本草関連記事を魏晋南北朝の文献に求めて縦横に語った諸篇です。

最後の一篇は、陶弘景が孔子に対して批判めいたことを述べていることを指摘したもので、私も以前少し触れたことのある、「蜾蠃」、すなわちジガバチにも関連しています。

一篇ずつ味わいながらゆっくり読みたいところでしたが、一気に通覧してしまいました。久々、吉川先生の文章の余韻に浸っているところです。

広告

“「本草余聞」” への 1 件のフィードバック

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中