最近、このブログの記事「平凡社東洋文庫版『漢文研究法』」の中で、「みすず版の瑕疵を数十箇所ほど訂正することができたのは、小さな喜びでした」と書いたところ、それを見て「どこをどう変更したのか」と声をかけてくれた友人がありました。
一冊買ってくれればすむものを、とも思いましたが、みすず版に訂正を加えて長く愛用したいということかも知れません。そういう需要もわずかながらあるのでしょう。以下、メモしておきます。左がみすず版、右が東洋文庫版で、問題のある字に色をつけてあります。
・p. 9「Qu‘ sais-je?」→p. 19「Que sais-je?」
・p. 19「『千頃堂書目』百三十二卷」→p. 30 「『千頃堂書目』三十二巻」
・p. 29「清邵懿振撰」→p. 41 「清邵懿辰撰」
・p. 38「T‘oung P‘ao」→p. 51「T’oung Pao」
・p. 45「祖孝徴名(斑)」→p. 58「祖孝徴(名珽)」
・p. 48「北堂書抄引書索引」→p. 60「北堂書鈔引書索引」
・p. 53 「太平廣記篇目及引用引得」→p. 66「太平廣記篇目及引書引得」
・p. 66「the Ching Period」→p. 81「the Ch‘ing Period」
・p. 70「陳德藝」→p. 86「陳徳芸(ルビ:うん)」
・p. 70「彭作偵」→p. 86「彭作楨」
・p. 70「何崧嶺」→p. 86「何崧齢」
・p. 74「藏勵龢」→p.90 「臧勵龢」
・p.78「直隷等處(4)管巡撫事」→p.94 「(4)直隷等処管巡撫事」
・p. 84「古佚叢書」→p. 100「古逸叢書」
・p. 86「祈文豐出版社」→p. 102「新文豊出版社」
・p. 93「藏文仲」→p. 111 「臧文仲」
・p. 93「無字意読為位」→p. 111 「立字当読為位」
・p. 98「通志考讎略」→p. 115「通志校讎略」
・p. 107「皮客」→p. 125「皮容」
・p. 108「草木蟲魚疏」→p.125 「草木鳥虫魚疏」
・p. 111「正殼」→p. 129「正彀」
・p. 112 「曹劉」→p. 130「留、劉」
・p. 114「毛亨注」→p. 132「毛亨伝 鄭玄箋」
・p. 114 「馬端辰」→p. 132 「馬瑞辰」
・p. 114「毛詩稽古篇」→p. 132「毛詩稽古編」
・p. 122「古文尚書疏證」→p.141 「尚書古文疏証」
・p. 122「高宗彤日」→p. 141「高宗肜日」
・p. 123「王瑣齡」→p. 142「王頊齢」
・p. 142「蓋禮記非醇經世問多六國秦漢人之所記」→p.163 「蓋礼記非醇経、其間多六国秦漢人之所記」
・p. 143「周澔注」→p.164 「用澔注」
・p. 145「子夏之徒不能贊一事」→p. 166「子夏之徒不能賛一辞」
・p. 163「虧(仄)」→p. 184「虧(平)」
以上、本文に関する32条ほど、ここに列記しました。それ以外にも、狩野直禎氏の解説に引く本文を訂正し、また索引の誤字や不具合を訂正してあります。
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