坂本龍一氏と『老子』


宗教思想史をご専攻の、佐賀大学の後藤正英先生が、連絡を下さいました。メッセージを引用させてもらいます。

坂本龍一の最後の本『ぼくはあと何回、満月を見るだろう』を読んでいましたら、坂本の最期の日々の読書リストのなかに井筒の『老子道徳経』が入っているのを見つけました。これはお伝えしなければと思い、メッセージを送らせていただきました。

井筒の『老子』の翻訳は、英語とペルシア語で書かれたものであり、英語版は、慶應義塾大学出版会から2001年に出版されました(Lao‐tzu―The Way and Its Virtue, Keio University Press, The Izutsu Library Series on Oriental Philosophy, 2001)。この出版に当たっては、天理大学の澤井義次先生が尽力なさいました。

さらにその後、その英語版を2017年に私が日本語に訳しました(井筒俊彦『老子道徳経』、 井筒俊彦英文著作翻訳コレクション、慶應義塾大学出版会、 2017年)。

坂本氏が亡くなる前に読まれたのが、もし日本語版であるとすれば、坂本氏の音楽を聴いて育った私にとって、たいへん嬉しいことです。

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