項目執筆


項目執筆、といっても、一般にはあまり馴染みのない言葉かも知れません。事典などの項目を解説的に書く仕事です。大きな事典や解説書などは、通常、ひとりの人が書くには内容が多岐にわたるので、分担して作られることが多いのです。

記名のものと無記名のものがありますが、これまで私が担当したのは、すべて記名の記事でした。

この項目執筆、私も何度か書いた経験があるのですが、どうも苦手で、多少の苦痛を感じながら書いてきました。学術論文など、自主的に書くものは自由裁量の余地があるのに、こちらは制限が多い、という理由かも知れませんが、「なぜ私は項目執筆に苦しむのか」という問いは、自分のなかでもまだ明瞭な答えを出せていません。

以下、列挙してみます。発表年代の新しいものから古いへと並べてあります。

『中国/日本〈漢〉文化大事典』 明治書院 2022年秋刊行予定
『論語』、孔子

『道藏輯要提要』(上、中、下) 黎志添主編 中文大學出版社 2021年5月
『南華真経注疏』、『劉子』、『玄真子』、『天隠子』

『名著で読む世界史120』 山川出版 2016年11月
『論語』、『孟子』、『老子』

『岩波 世界人名大辞典』 岩波書店 2013年12月
「張湛」、「樊遜」、「費甝」、「魯勝」、「陸徳明」、「劉炫」、「孔穎達」、「賈公彦」、「楊士勛」、「啖助」、「趙匡」、「陸淳」、「杜佑」、「彭元瑞」、「呉騫」、「陳鱣」、「銭泰吉」、「章鈺」、「邵晋涵」、「傅増湘」、「余嘉錫」、「陳乃乾」、「王重民」、「趙万里」、「張秀民」

『中国文化史大事典』 大修館書店 2013年4月
「名教」、「何晏」、「郭象」、「玄学」、「荘子郭象注」、「王衍」、「向秀」、「正始之音」、「裴顗」、「崇有論」、「論語集解」

『日本古典籍書誌学辞典』 岩波書店 1999年3月
「温州本」、「婺州本」、「衢州本」、「皖刊本」、「建安刊本(建本、建刊本)」、「閩本(閩刊本)」

『東京大学総合図書館の漢籍とその旧蔵者たち−展示資料目録−』 東京大学附属図書館 1995年10月
『法華経集験記』、『天目中峯和尚広録』、『仏果圓悟禅師碧巖録』、『兀庵和尚語録』、『阿毘達磨大毘婆沙論』(宋版大蔵経零本)、同(黄檗版)

列挙しただけでも、かなり疲れてきました。人間、何ごとも向き不向きがあって、項目執筆は私には向いていないようです。

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